一棟ものの収益を計算
2011年10月 6日 07:51
小難しい話をしているので、ブログ読者さんが、
どのような感想をお持ちなのか不安ですが、
とりあえず、続き物になっているので、
内部収益率の一棟版について書こうと思います。
地方の一棟ものということで、
・キャッシュ購入はあり得ない。融資(フルローン)前提。
・値上がりして売却できる可能性は低い。
ということが特徴です。
価値の下落を上回るキャッシュフローが確保できてないと、
単に、貯金を取り崩しているだけになります。
今回の条件としては、やはり一般的なもの。
利回り15%だけど経費&空室率が高いので、
NOIは9%(経費20%、空室率20%)だとします。
そして、これも地方の特徴なんですが、
毎年手取りのキャッシュフローが30万円ずつ減るとします。
購入総額は諸費用込みで1億円。
実質的なフルローンということで、
借り入れの金額は、9千万円で計算してみました。
こちらは長期譲渡にするために、購入後6年で売却。
6年後の残債は、6840万円です。
そして残念ながら、売値は購入時より1割ダウン。
売却諸費用も掛かるので、手元には7600万円残りました。
では、計算してみます。
購入時 ▲1000
1年目 300
2年目 270
3年目 240
4年目 210
5年目 180
6年目 150
売却時 760
(7600万円から残債6840万円を引いたもの)
ということで、6年間で2110万円のキャッシュを得ますので、
年平均で351.6万円。
拠出した1千万円に対して、35.1%で運用できたことになります。
昨日の区分投資では、この数字が30%だったので、
辛うじて、それを上回る成績が出せました。
しかし、これは一棟もののほうを、かなり楽観的に見た場合です。
実際には、手のこりのキャッシュは、
想定を下回る可能性が、高いと思います。
年に30万円も手取りが減るなんて!と思うかもしれませんが、
購入額1億円に対しての割合は0.3%に過ぎませんので、
十分に想定できるくらいの下落です。
保有期間6年の間に、大規模なリフォームでもしたら、
キャッシュフローなんて吹っ飛びますしね。(^^;)
では、なぜ地方投資をぼくがやってるかというと、
・上記のシミュレーション以上の利回りで購入できる
・自分で価値を上げることで、売却時の値下がりを防止できる
からというような理由です。
そうではなければ、前日のような手堅い区分を買った方が、
トータルでは儲かると思います。
12~3%くらいの物件を地方で購入していたり、
また、利回りが高くても、それが「相場の値段」である場合は、
損をしてしまう可能性が高いと言えます。
地方物件で、短期間に大きなキャッシュを得たいなら、
・相場の値段で買わない。利回りは最低15%。
・数年後でも買値以上で売れるよう、自力で物件価値を上げる。
というのが鉄則だと言えます。
中村一晴さんのリニューアル投資法などは、
非常に洗練された、地方投資の形ではないかと思います。
次回でこのテーマは最終回。
すごく上手に地方投資をした場合のシミュレーションについて、
最後に考えてみたいと思います。