毎月変化する自己資金利回り。
2014年9月 9日 07:55
先日の一泊セミナーでは、本当に多くのことが学べて、
個人的にめちゃめちゃレベルアップしました。
中でも自分の中で価値観が変わったなと思えたのは、
「返済が進んだ物件の、投資効率の悪さ」が分かったことです。
不動産投資を始めて10年。
所有物件の中で、8年保有しているマンションもあります。
「残債利回りがとんでもない数字になったな・・ふふふ」なんて、
いい気になっているフシもありましたが、
極端な残債利回りは、投資効率的には良いとは言えません。
具体的に説明してみましょう。
例えば、自己資金10%を投入して、
諸費用込みの1億円の物件を購入したとします。
ネット利回り8%、金利2%25年の融資を受けた場合、
年間家賃は800万円、返済額は約458万円です。
投下した自己資金に対する利回り(CCR)は、34.2%になります。
※(800-458)/1,000 = 0.342
投資としては、なかなか良い数字ですね。
一方、この条件で20年経過すると残債は2,176万円に減ります。
家賃や経費率が変わらなかったすれば、
残債利回りは36.8%にまで上昇します。売却損がない安全圏です。
※800/2,176 = 0.3676
ところが、この物件がその時点で8千万円で売れるとすると、
残債との差額5,824万円を、物件の中に留保しているような状態になります。
言い換えると、5,824万円を投入して、
8千万円の物件を購入したのと同じ状態になります。
最初からそれなら、単に「自己資本の厚い投資」なんですが、
重要なのは「ローンは9千万円分を返済中」ということです。
残債は減ってますが、返済額は変わっていません。
先ほどのCCRを再計算してみると、何と5.87%にまで低下。
キャッシュで購入するより効率の悪い投資になりました。。
※(800-458)/5,824 = 0.0587
このように、返済が進んでいくとどこかの段階で、
「キャッシュで投資をするより、CCRが低くなる状態」が起こるので、
そこは出口を考えるひとつの節目になるということです。
物件を売って、再度レバレッジの高い投資をしたり、
キャッシュで物件を買ったりする訳です。
また、逆転の発想で残りのローンを繰り上げ返済しても、
ネット利回り8%、返済が消えたことでCCRも8%に上がります。
ということで、自分の投資状況は毎月変化していると言っても過言ではなく、
買う前も買ってからも、常に出口を見据える必要があります。