チャレンジ面談などで、不動産の相談に乗る機会も増えましたが、
いくつかの、「よくある誤解・間違い」についてお話します。
最初のテーマは・・・
「土地値物件」についての誤解です。
土地値物件という言葉を聞いて、
「積算が出やすい」とイメージされた方は正しいです。
もちろん「安い」と感じるのも、高確率で正しい判断だろうと思います。
建物がどうなろうと、一定の価値が確保されている訳です。
でも、「高利回り」だと考えるのは、多くの場合で間違っています。
土地値物件 = 高利回り ではないのです。
理由の解説をしましょう。
通常、不動産の価格は区分マンションなどを除けば、
「収益還元」か「積算」を基準に決まることが多いです。
前者は、要するに利回りのことで、
地域や築年数、構造に応じた利回り相場というものがあり、
その値段であれば誰かが買ってくれます。
後者は、土地の評価と築年と構造に応じた建物の㎡単価があり、
それを合計した価格を、一応の目安とするものです。
ここまでは、不動産を勉強した方ならみんな知ってますが、
大事なのは積算と収益還元の価格に差異がある場合は、
ほとんどの場合で「より高い方」に近い価格で売れるということです。
積算が高ければ、利回りが多少犠牲になっても、
評価を重視している投資家さんが買ってくれますし、
その逆もまた然りです。
土地値ということは安いってことだから、
利回りも高いんじゃないの?という疑問があるかもしれませんが、
土地値以下で取引されている物件は、
・建蔽率や容積率に、かなり余裕がある建て方をしている。
・建物が古いので、家賃単価は高くない。
という特徴があるので、利回りは意外と低いものなのです。
容積率いっぱいに効率良く建築されていて築浅であれば、
収益還元価格の方が高くなるので、土地値以下には売られません。
逆に、木造アパートで利回り20%!なんていうのは、
路線価が2~5万円/㎡くらいの、土地が極めて安い地域が多いです。
ぼくが買った最初のアパートも、それくらいの利回りでしたが、
1980万円の買値のうち、土地値が1100万円くらいでした。
土地値以下で売ると、利回り30%超になってしまうので、
古くなった建物に価値がないにも関わらず、
積算価格よりはるかに高く売れてしまうのです。
また上述した通り、土地値案件は建物が古いことが多いので、
融資期間を短くされてしまうことがよくあります。
期間が短い上に、利回りもさほど高くないので、
キャッシュフローが生まれず、買えずに終わるということも・・。
土地値投資を実践されている方が、意外と少ないのは、
利回りの低さと融資の受けづらさに、原因があるんだと思います。